今日は久しぶりに、即興演奏のコンサートです。ピアノの新井陽子さんとヴォイスの利根川おちょこさん。今夜がどんな演奏になるのかわからずに、夕方電車に乗って会場へ向かう、そのような感じは、最近の私にはあまりあることではありません。あるがままに。前回こうして即興演奏のコンサートに向かったのは、4月のチェロの入間川さんと、ダンスの遠藤さんとのセッションでした。即興演奏の中に自分の感じていることや、考えていることが全てあらわれ、さらにはそれを越えて行くことを強く求めていた頃に比べると、かえって即興演奏という場のかけがえのなさが、クリアになったような気がします。
雨が降ると楽器の運搬が大変なので、今日は降りませんように。
いつもは、本番や練習に向かう直前まで家や電車で、その台本をつくったり、作曲をしたり、楽譜をチェックしたり。高度なことはあいかわらず何一つできないけれど、ずいぶんノートパソコンのお世話になっています。今日は即興にそなえて出かけるときは置いてこうかしら。
今月、来月の活動はなかなかバラエティにとんでいます。ひさしぶりに公演予定をブログにアップします。いろいろありますので、ぜひ!
ブレヒトとロルカ ワークショップコンサート つくば 千年一日珈琲
6月22日(日)
http://1001coffee.jugem.jp/?cid=6
出 演:河崎 純(コントラバス)
小沢 あき(ギター)
三行 英登(映像)
日 時:2014年6月22日(日)
ワークショップ 16:30-18:30
コンサート 19:00 oepn/ 19:30 start
料 金:ワークショップ+コンサート 一般 2,500 学生 2,000
コンサートのみ 一般・学生 2,000
会 場:千年一日珈琲焙煎所(つくば市天久保3-21-3 星谷ビル F/G)
予約・問い合わせ
メール 1001coffee@gmail.com 電 話 029-875-5092
ここ数年、ソロの演奏でつくばで演奏してきました。その拠点の一つが 千年一日珈琲。以前からなにか地元の方達とワークショップをして舞台をつくりたいね、と話し合っていましたが、「ブレヒトとロルカ」という形でついに実現。その第一弾ととらえています。ブレヒトとロルカ、二年くらいの間にずいぶんコンサートがありました。その度ごとにアングルを変え、コンセプトを発展させ。正直煮詰まりました(笑)。内容を準備し始めて最初のうちはここのところいつも、そう思います。しかし3人で話し始めたり、もう一度ひとりで弾き直してみると、やはりいろいろ発見が多いです。追創造、二次創作ともいいますが、ブレヒトのとりわけアイスラーなどが作曲した音楽はやはりその宝庫だと思いました。一見、一聴、なんの変哲もない(特にブレヒトのドイツ語の原詩はすぐにわからないので)、「貧しさ」をたたえるような音楽や歌、リズムは、新しい創造を生む源泉です。音楽のありようとして、こういうあり方もあるのだと思います。他者の創造を具体的に膨らませる音楽。そういうことを共有する場として、ワークショップという場は適しています。そしてロルカ。先日、あるフラメンコのドキュメント番組をみていて、あらためて、その深さ、ドゥエンデ?に、たじろぎ、それゆえ改めて今の私の「生活」との距離感に呆然としました。関われない、関わっては行けない領域に思えました。特に歌。「あそこのパン屋の娘の金色の髪の毛は美しい、そしてパンの焼き色のように焦げて」と、そんなような歌詞を1分くらいかけて歌い込む。
あるとき、言語の音素数を調べてみると、英語やドイツ語はかなり多く40〜45。それに対し、スペイン語は少なく20程度。豊かな、歌やメロディは言語の特性と言葉はきりはなせないものでしょう。そして日本語は、というと25くらいでやはり少ない。詩を和歌を吟じるということを思います。たとえばそのようなメリスマティックに一音に変化をさせながら言葉を吟じるのに対し、ドイツ語や英語の、語るような音楽。ラップやドイツのシュプレヒゲザング(語るような歌い方)。一音を変化させなくても数多くのニュアンスや響きを生む言語。「空にしずみ、海に浮かぶ」という作品のため、同じ詩で、英語原詩と日本語訳にメロディをつけました。英語の詩の方がどんどん作曲できます。母語ではない言葉へのこだわりのなさともいえますが、そういう言語の特色も影響しているのでしょう。また、そうして作られた音楽に感覚をずいぶん馴らされてしまっている、ということもできるでしょう。
最近「道成寺」の舞踊のために、ずいぶん熊野の話を聞きます。神仏習合や本地垂迹。八百万の神と仏様。ジプシー、ユダヤ、イスラム、カトリック、、、なにか紀伊半島とイベリア半島がだぶってみえてくるようでした。ユーラシアの東の孤島と、西端。遠のいたロルカがまた近づいてきました。
ブレヒトのアメリカ亡命時代アイスラーが曲をつけた「小さなラジオ」という曲があります。1940年頃でしょうか。もうその頃ロルカは虐殺されています。亡命の孤独に加担するラジオの音声。ふと気になって、テレビやラジオって、その頃人々にとってどんなメディアだったのか、調べてみると、ブレヒトやロルカの生まれた19世紀後半にそれらは開発され、実用化は1910年くらい、日本では大正11年にラジオの実験放送が開始し、12年が関東大震災です。テレビはアメリカで1941年だそうです。ラジオというだけで、ノスタルジックなメディアであると感じますが、当時の最先端のメディアに亡命の孤独感を重ねていたということです。こんなこともインターネットを使ってお手軽に調べたりしていますが、、。ブレヒトとロルカといって、その「貧しさ」や「豊かさ」が現代のメディアのスピードに有効に呼応するなにかが、あるのだろうか、とやりながらふと思ってしまうこともありますが、それをたしかめ、一つの場ができあがることの可能性に期待を寄せて、つくばでワークショップコンサートを行います。もちろん東京や埼玉からもぜひ!
ダンス ワークショップ
神田楽道庵
7月7日 8月4日 9月1日
http://www2.plala.or.jp/rakudoan/
私のいろいろな活動では、歌でたとえると、ひとりで歌う歌と合唱の間にある出来事をとらえなおすような感じ、と自分で思っています。ダンスの活動はみなさんソロ活動がとても多いように思えます。さまざまな事情もあると思い、目の当たりにすれば、その自己探求にはいつも感服してしまいます。しかしちょっと遠目から見ると、そのインナートリップが少し、閉塞感、窮屈さを感じさせないでもない。このワークショップを通じて、振付けられた群舞や即興的な独舞とも異なる、ダンス作品を音楽家の視点で演出してみなさんと作品をつくりたいなぁ、と密かに目論んでいます。ダンサーじゃない方もたくさん来てくれると嬉しいなぁ。
即興演奏
6月18日 四谷三丁目 喫茶茶会記 20時から 2500円(1ドリンク付き)
本日! 新井陽子(ピアノ)利根川おちょこ(ヴォイス)
以前(いつの間にもう10年くらい経ってしまいました)両国のシアターXで、「詩の通路」という企画を運営していた時、コンサート、ゼミでも新井さんに、いろいろアドヴァイスをいただきました。いまいろいろやっている活動はあのときの経験がずいぶん役に立っています。
7月12日 水道橋 ftarri
新井陽子(ピアノ)秋山徹次(ギター)高橋保行(トロンボーン)
午後7時開場・開演
『その日の音楽 〜 improvised music for "that" day 〜』
2,500 円
主催:新井陽子
この日のお店の営業時間は、午後3時30分から7時までとなります。
韓国のピアニスト パク・チャンスさんの企画で、韓国、中国、日本、で同時開催される音楽イヴェントです。そして高橋さん!やはり「詩の通路」公演でお世話になりましたが、なんとその時以来だからやはり10年ぶりくらい。飲んだくれました!朝方両国の駅のホームでトロンボーンを置き去りにしそうになる姿が高橋さんをみたさいご。あはは。
8月7日 明大前 キッドアイラックホール
http://www.kidailack.co.jp/
花木久実(太鼓)
花木さんとも10年ぶりくらいです。凛々しい太鼓です。
花木久美 Hisami Hanaki 太鼓SESSION 2014
時間:開場19:30 開演20:00
料金:前売2000円 当日2200円
予約・問合:キッド
舞台音楽 (舞踊)
7月15(火) 16 (水)日 「道成寺」 もうひとつの物語・清姫の真実 ひめしゃら塾公演 仙川 せんがわ劇場
http://www.sengawa-gekijo.jp/
15日19時 16日14時 19時 予約3000円 当日 3500円 学生、こども 2000円
ひさしぶりにコントラバス演奏中心での舞台音楽。演出の今井尋也さんの小鼓とともに。ここのところ和物の古典作品に関わることが少なかったので、今井さんから日本、熊野の神話や宗教の話をききつつ、自分で調べたりするのも楽しみです。いっぱい演奏します!
演出・構成作品
立教大学前期演習発表 立教大学池袋キャンパス
詳細 kawasaki_jun6@r7.dion.ne.jp
7月8日「かもめ 悲劇」(チェホフ「かもめ 喜劇」 とパウル・ツェランの詩、謡曲「黒塚」)
黒いカモメ、喪服を纏ったカモメたち。黒いミルク。黒い塚。白く軽やかに。9月頃には課外発表の公演を予定しています。いくつか歌も書きました。今期の生徒さんは、三味線、サックス、クラリネット、篠笛など楽器を演奏する生徒が多く、いままでになく音楽的要素の多い作品になりそうです。
7月20日(日)「空にしずみ 海に浮かぶ」 蕨 タタミスタジオ
http://www.bfrec.com/tatamistudio.html
詳細
http://www.bfrec.com/pg157.html
おせわになっているタタミスタジオのエアロヨガ(空中ヨガ)の先生と生徒を中心としたダンス作品です。海や空を彷徨い旅する少年、少女たちの物語。
朗読、演奏、歌もまじえつつ。演奏は小沢あきさん(ギター)、朗読者in川口の内田百?の「件」で私の無伴奏ヴァイオリン曲をたくさん弾いてくれたヤン・グレムボツキーさん。今回は、作曲は歌だけにして、マニュエル・デ・ファリャ、ショスタコビッチ、イザーイ、ユパンキ、ジスモンチなどの曲で音楽を構成する予定です。
歌
石橋幸 ロシアアウトカーストの歌
7月6日 (日)新宿 ガルガンチュア 7名限定 要予約
start 19:00 charge ¥2,000 ※要予約
石橋幸(vo) 小沢あき(g) 河崎純(b)
@新宿ゴールデン街「ガルガンチュア」
東京都新宿区歌舞伎町1-1-7 TEL: 03-3202-5996
7月27日(日)(わたしが構成します) 西荻窪 音や金時
7時30分開演 ( 開場6時30分 )
演奏
石橋 幸 (うた)
後藤ミホコ(acc)
石塚俊明(per)
小沢あき(g)
服部将典(b)
河崎純(b)
是非ご来場ください。
音や金時 → JR西荻窪 北口を線路沿いに新宿方向 徒歩で5分
(土、日、祝日は快速通過、各駅停車をご利用ください)
クリックして☞地図を見る
ここをクリックして、音や金時
杉並区西荻北2-2-14 喜志コーポB1
TEL: 03-5382-2020
7月29日 (火)新大久保ウルガ
open 19:00 start 19:30 前売.¥2500 (+1order) / 当日.¥3000 (+1order)
石橋幸(vo) 後藤ミホコ(acc) 石塚俊明(per) 小沢あき(g)河崎純(b)
新宿区 歌舞伎町 2-42-16 第2大滝ビル B1 Tel & Fax: 03-5287-3390
構成演出する予定の、12月の紀伊国屋ホールでの公演に向けて、いよいよ具体的なアイデア、構成をためしつつ毎月のコンサートです。紀伊国屋ホールでは、信頼するコントラバス奏者服部将典さんを加え、私とのダブルコントラバスで、おおくりする予定です。読み人知らずのロシアの心は、コントラバスの響きと親和性がある、と思っています。それをより過剰に表現したい、と思いました。
RIQUO 「夜の対話」 外苑前 zimagine
7月22日
昨年毎月演奏した、リコさんのオリジナル曲シリーズ。一区切りのレコーディングを行い、久々です。楽しみ!
RIQUO(Vo,Pf)
OPEN19:00 START19:30 ¥2,500(ドリンク別)
UNI-MARCA
8月2日 渋谷 公園通りクラシックス
この4月にひさしぶりにコンサートをした柴田暦さんとのユニット。今回はあっとおどろくカヴァー曲も歌われるかもしれません!